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メンタルフレンド (1999.2.17〜2.19)

 2泊3日の冬の合宿教室。今回も前回同様、18日の午後から数学科の卒論発表会があるので、2日目の午前中で帰った。今回の合宿は前回も途中で帰ったので、どうしても合宿の全日程に参加したかった。途中までの参加だけど、子どもたちと触れ合い、関わり、自分自身、合宿を楽しみたいと思い、胸をはずませていた。 

 

 今回の合宿で、子どもたちとの関わり合いで、特に印象に残ったことを書いていきたい。1日目の「ふれあいタイム」という時間を学生に任せられていた。事前にみんなで何をするのか話し合った。いくつかゲームを考えていたが、実際にやってみると予想以上に時間がかかった。この「ふれあいタイム」の中でちょっと気になったことがあった。初めに自分の呼び名をネームプレートに貼りつけて、ピンセットで服にとめるという活動があった。たまたま、僕の隣にはTさんがいた。僕はこの活動をTさんに手伝ってもらおうと声をかけた。一瞬「エッ!!」という顔をしたので僕を意識しているようだったが、やってくれそうな素振りがなく、僕に戸惑っているように感じられた。そこで、もう1度頼んだ。それでもやってくれそうなけはいがなかったので、もう1度、語気を少し強めて言った。そうしたら、ようやくやってくれた。その姿を見て、何だか僕に「やらされている」ような印象を受けた。その後の昼食もTさんはほとんどとらなかった。食べる食べないは本人の自由であるから良いとしても、その姿は覇気がないように見えた。 

 

 午後のラングラウフスキーは駄目もとで挑戦しようと思っていた。やはり、予想していた以上に困難で、途中でリタイヤした。僕一人、みんなの帰りを自然の家で待っているのかなぁと思ったのだが、山本先生から「GさんとFさんと一緒にチューブすべりをしていて。2人をよろしく頼むな」と言われ、僕は彼女等とチューブすべりをして、遊んだ。彼女等は「5分で言いから、来ないかと言われて、ここに来た」という。「期末テストが近いので、勉強をしたい」と付け加えて言っていた。いかにも自然の家に戻りたいように感じられたが、彼女等の様子を見ていると、そうでもなく、結構楽しんでいるように見えた。3人はとても楽しく遊んだ。遊んでいる中で、いつのまにかGさんとFさんが僕のことを「ガクちゃん先生」と呼んでくれたことが自分としてはとても嬉しかった。彼女等にそう呼ばれたのは多分初めてだと思う。なんだか、自分が受けいられたような気がした。それは彼女たちの行動にも感じられた。彼女等は坂を登るときも僕の歩調に合わせて歩いてくれ、靴の紐が取れたときも僕が言わなくても彼女等はそれに気付き結び直してくれた。僕と彼女等のやりとりがとても自然だったと思う。僕に「やらされている」という感じは受けなかった。自然の家に帰ってから、「ラングラウスキーは最後までやりたかったなぁ。途中リタイヤで残念だなぁ」と僕はFさんに話しかけた。Fさんは「そりゃそうだけど、チューブすべり、とても楽しかったじゃん。それでいいじゃん」と返してくれた。その言葉を聞いて、彼女等は良いもの(感性)を持っているなぁと思った。それを感じられて、僕はとても嬉しかった。 

 

 夕食前にK君と将棋をして遊んだ。彼の部屋で僕は彼と将棋をした。その横で、石沢相談員が観戦していた。第1印象はとても静かな子かなぁと思ったが、関わるにつれて面白い子に段々と印象が変わっていった。彼は初めから僕のことを「ガクちゃん。ガクちゃん」と呼んでくれたので、とても人懐こい子だなぁと思った。時々、石沢先生が用事で部屋から出て行く場面が何回かあった。石沢先生がいるときといないときでは明らかに彼の態度が変わった。石沢先生がいるときはおとなしくしている彼は先生がいなくなると、いきなり踊りだした。そして、帰ってくるとまたおとなしくなる。そのギャップに僕は戸惑った。でも、彼の本来(?)の姿を見せてくれたので、僕も彼に素直に何でも言えて、初対面なのだが、すぐに打ち解けた。そのきっかけを作ったものは彼の突然の踊りなのかなぁと思った。彼は2日目に泊まるといっていたので、とても残念な気がした。もっと彼と接したかった。 

 

 以上、今回の合宿で印象に残ったことである。今回の合宿は自分にとって、「自己発見の旅」であった。だから、子どもたち1人ひとりにとっても今回の合宿が「自己発見の旅」であったことを願っている。 

 

合宿教室 活動のまとめ 

 

2/17 第1日目 

 

 出発式のとき、思っていた以上に子どもの人数が少なかった。この合宿を楽しみにしていた僕にとって、とても寂しい気がした。出発式の子どもの顔ぶれは常連の子どもがいなかったり、久しぶりに会ったりととても複雑な気持ちでした。学生主体の「ふれあいタイム」は子どもたちがフインキに打ち解けていたので、良かったと思う。「ふれあいタイム」を自分たちで企画して、とても勉強になった。午後の活動はGさんとFさんと一緒にチューブすべりを楽しんだ。初めは自分1人に彼女たちを任されて、不安な気持ちもあったが、一緒に楽しむことができ、彼女たちと1対1で関われて、とても貴重な経験をしたと思う。その後、K君の将棋をした。お互い初対面だったが、将棋を通して打ち解けることができた。彼は「2日目は泊まるよ」と言っていたので、2日目に帰る僕は残念だなぁと思った。 

 

2/18 第2日目 

 

 午前10時頃までの参加だった。朝、2人の男の子が参加して、それがとても嬉しかった。この日、参加する2人の男の子にとって「木とリス」ゲームはとてもフインキになじむうえで、良かったと思う。次のラングラウフスキー。僕は本間君を応援していた。本間君の後姿を見て、きっと多くの子どもたちの心を揺り動かすだろうなと思いながら、自然の家をあとにした。 

 

全体をふりかえって(まとめ) 

 

 前回の合宿もそうだが、今回の合宿も途中までの参加となった。だから、1度も子どもたちに修了書(?)を書いたことがない。最終日の前日に、学生が協力して書くそうだ。何だか、申し訳のないような気がする。今回の合宿は「自己発見の旅」である。この目的のように、僕はこの合宿で「自己発見」ができた。ラングラウフスキーをはいて滑ったとき、こけて自分で立ちあがれなかった。自分で立ちあがることができたのなら、僕はスキーをもっともっと楽しむことができるだろうと思う。これはこれからの僕の課題だ。1つ課題を発見したので、今回の合宿は僕にとって「自己発見の旅」である。合宿に参加した1人ひとりにとって、合宿が「自己発見の旅」であったことを願う。 

 

 僕は人と触れ合うことが大スキだ。だから、合宿の前は胸がワクワクする。そして、合宿が終わると、みんなに素直に感謝したい気持ちになる。なぜなら、僕にかけがえのない思い出をくれたからだ。僕を囲んでくれた皆さんへ 「楽しい思い出、ありがとう」



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