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メンタルフレンド (子どもたちがくれた宝物)

 1年間、「教育臨床体験」という授業の中で、不登校児と関わった。今様々な活動を振り返ると、1年前の自分と比べて、驚くほどに不登校児への認識が深まっていることに気付かされる。僕は不登校児と関わって、子どもたちから『今までの僕の生き方』を改めて再認識させられ、何が大切なのか教えられたような気がする。 

 

 初めて、「教育臨床体験」の授業内容を知ったとき、漠然と『不登校児とは、どんな子どもたちなのだろう』と思ったことを今でも覚えている。7月4日の調理実習で、いつのまにか僕の心は子どもたちの気持ちを分かりたい、知りたいという気持ちでいっぱいであった。 

 

 子どもたちの気持ちに迫ろうと、僕はこれまでの学校生活を思い出してみた。しかし、幸か不幸か、僕の学校生活の中で『学校に行きたくても行けない』気持ちになったことは1度もなかった。だから、1時期、子どもたちの気持ちが見えなくなったときもあった。でも、開き直って、僕のありのままの姿で子どもたちに真正面からぶつかっていこうと考えた。 

 

 「教育臨床体験」の活動は体験活動である。僕の活動を楽しむ姿を見て、子どもたちが何かを感じ取ってくれることを期待していた。その何かが大切なのであり、子どもたち1人ひとりが自分のことを見つめ直すきっかけになり得るだろうと思う。そのきっかけを僕が活動を楽しむなかで、与えることができたらと思っていた。 

 

 僕はどんなことにも、楽しむ気持ちだけは忘れずに生きてきた。不登校児と関わって、その気持ちがいかに大切か、改めて思い知らされたような気がする。このように考えると、何だか子どもたちから宝物をもらったような気持ちになる。最後に、一言「ありがとう」と言いたい。



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